◆よろこびの歌として




Spirituals /黒人霊歌はアフリカ系アメリカ人の苦痛と共に生まれましたが、それを耳にする者なら誰でも、それは単なる深く美しい絶望の表現以上のものであることが感じられるでしょう。Spiritualsがjubilee songs(歓喜の歌)とも呼ばれるのは、奴隷としての絶望の直中で、強さと希望と神への信仰を持ち、Spiritualsがその痛烈な表現になっていたからです。

またSpirituals /黒人霊歌は初期のアフリカ系アメリカ人教会にとって、「私たちがどうして、異国の地にあって主の歌を歌えようか。」[旧約聖書詩篇137:4]という問いに答える、まさに彼ら自身のサバイバル・ソングでありました。異国の地での精神的空虚と奴隷労働による肉体の疲労、奴隷主から受ける身体的刑罰の中で、アフリカ系アメリカ人クリスチャンは彼らの信仰を歌い、その過程で、生きる力を得たことは否定できない史実でしょう。

これらの歌が”Spirituals”と呼ばれるのは、歌の作者達が主に聖書に記されている物語や聖句に基づいて、またそれらをテーマに歌詞をつくり出し、the Spirit of God、つまり神の存在/神の愛/神の息吹き、それ自身を題材にして歌っているんだと彼らが信じているからです。

”Ev'ry time I Feel de Spirit”というSpiritualにまさにSpiritualの源泉が表れています(僕の大好きな1曲でもあります!)。The Spirit of God/神の存在/神の愛/神の息吹きを感じて、それにこころ動かされたときはいつも彼らは祈り、歌を作り、歌い、それを伝えるということです。彼らの純粋でシンプルで繊細で力強い精神こそが、Spiritualsを今日まで存続させ、時代も場所も超えて僕達のこころにまで届かせてくれる原動力であることを僕は疑いません。

サイン

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