◆アフリカネス/アフリカ的要素-from mother Africa




■生活から生まれる表現はbeauty(LeRoi Jones, Blues People. New York: William Morrow and Company, 1963)

音楽はアフリカでは西洋と違い、純粋にfunctional(実用的、機能的)なものであったようです。西アフリカ文化に基本的に共通している唄が何種類かあります。

*若い男性が若い女性に歌いかける唄(求愛、挑戦、からかい)。
*仕事中に歌ってその仕事を楽しもうとする唄(いわゆるワークソング)。
*少年の成人儀礼の準備のために長老達が歌う唄。
など。

西洋音楽の場合、生活の中で生まれた世俗的なフォークソング以外は、初期の宗教音楽を除いてきわめてartな音楽(きっと魂の開化が目的だよね?)であって、西洋では日常生活とart musicの区別ははっきりしていたと言えます。逆にアフリカ文化では、音楽、ダンス、唄、工芸、と日常生活、また神々に対する礼拝との間に本質的な境目はみられず、生活から生まれる表現はall beautyでありました。



■奴隷達をひとつにしたものは?(Sterling Stuckey, Slave Culture, New York: Oxford Press, 1987)

主に西アフリカ、中央アフリカから奴隷として連れてこられた人々の部族構成は、当然ながら多岐に渡っていましたが、アメリカ大陸での奴隷としての生活で、彼らを連帯させた2つの要素がありました。

*自分達を奴隷として連れてきて、働かせているEuropean American(白人)を共通の敵とみなしていたこと。

*細かい点での差異はみられたが、基本的世界観、神話が部族間で共通していたし、その世界観、神話を音楽とダンスを通して表現していた点でも共通していたこと。

これらの要素が、部族間でも別々の言語を話し、もちろん英語も話せなかった人々をひとつに連帯させました。そして、アメリカ大陸での彼らの連帯のもっともわかりやすい形がのちに "Ring Shout" として知られるものです。Ring Shoutでは人々は輪になって反時計回りに動きながら、歌い踊ったと言われています。この儀式の形がアフリカの多数の部族間で共通していたからです。彼らは当初アメリカで共通した言語を持たなかったため、必然的にRing Shoutの形は、シンプルでエモーショナルな叫びやハミングから始まるものとなり、それが長い時間をかけて発展していって、彼らが英語を話せるようになり、キリストへの信仰を育む中で、現在 "(Negro) Spirituals/黒人霊歌" と呼ばれる唄が形成されていったと考えられています。

■oral tradition/口承の伝統


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